• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

いよいよクリスマスウィーク近くとなり外食やクリスマスケーキなど、アトピー性皮膚炎の方には大敵の多い季節です。長年治療をやっていて、この時期に一気に悪化して挫折した方をたくさん見て来ました。うちの父親などもアトピーの患者様には「白砂糖と餅は気をつけなさい」としょっちゅう言っていました。私もそれに倣ってこの時期には皆さんに言っているので、「また言ってるよ」程度で読んで頂ければと思います。

白砂糖モノ、お餅、おせち料理・・・・・

白砂糖は皮膚の炎症を悪化させるので、特に炎症が強い状態では摂取しない方が良いでしょう。また精製された砂糖は体内で代謝する時にビタミンやミネラルを消費するため、皮膚の状態を悪化させます。クリスマスケーキなどは白砂糖や生クリーム(乳製品)を使っているので、食べるなとは言いませんが、少し齧る程度で我慢した方が無難でしょう。そして年を越しても・・・・・

おせち料理なども日持ちを良くするために砂糖を沢山使っているので、これも皮膚炎を悪化させる原因となります。そしてお餅です。いつも「え!お餅もですか!!」と怒られるのですが、餅米にはヒスタミン(痒み物質)が含まれています。それを杵で潰して固めた餅にはかなりの量の餅米が使われているので、かなり痒いことになるかと思います。おかきや赤飯なども食べすぎると痒くなります。今はすっかり良くなったのですが、思い出せばうちの下の娘もアトピーで、正月でもないのにお餅を食べて掻き崩していました。何度注意しても勝手に買って来て食べるので困ったものでした。食べ物が勿体ないと思いましたが、アトピーが悪化した方が勿体ないので、見付けたら捨てる様にしていました。

さてこの毎年恒例の悪循環、年末のクリスマスケーキや過食で皮膚の状態が悪くなり、正月のおせちやお餅で痒みが一気に増して掻き崩して終了、、、、と泣くに泣けないことになってしまいます。子供の患者さんなどで、お母さんが一生懸命気を付けていたので調子良かったのに、正月に実家に預けたらおばあちゃんが「お餅やお菓子を食べささないとはなんて可愛そうに!」と食べさせてしまい、一気に悪化した例もありました。毎年悪循環に陥ってしまう方、心当たりある方、無事に乗り切って下さい!

ちなみに自分は、ケーキは胃もたれするので基本ダメです。特に空腹時にケーキなどの砂糖物は酷い胃もたれになります。原因は砂糖物は胃の動きを悪くするからですが、残念ながら本当に良く効きます(笑)但し、食後にちょっと嗜む程度ならば、胃内の砂糖濃度も低くて苦しくありませんが、自分にとってはそこまで努力して食べる物でもないです。お餅は焼く機器も持ってないし、下の娘の件もあり何年も買っていません。おせちなんか高いお金払って買っても誰も食べないし、ほぼそのままゴミ箱に直行なので勿体ないだけです。しかもおせちの容器が大きくて元旦早々にゴミ出しに行かないといけないし面倒しかありません。こういう話しをしていると同じ様なこと思っておられる患者さん多いですね。

とは言え、あれダメこれダメではストレス溜まる!!し、家でケーキを食べなくても、友達などと集まった時に一人だけケーキをパスしてしまうのは気不味いでしょう。その時の体調や他に食べた物などにもよりますが、自分の体が消化(解毒)できる範囲で食べるのは問題ないと思います。ただ「どの程度食べても大丈夫か?」は自分の感覚で判断するしかありません。こう言う感覚を養うのもアトピー性皮膚炎の治療の一つだと思います。「この程度ならば大丈夫」とか「半分にしてくれ」など、まずは少し考えてから食べて観察する、そうして自分の感覚を掴んで下さい!もし家で食べるのならば、先に半分を捨てて下さい。そうすれば絶対に半分以上食べれないですから。

さて少し時間が経過してしまったのですが、先週末に長女のシカゴマラソン完走祝いをして来ました。用意したケーキはウエストのレモンパイです。自分にとって昔からこれは唯一胃もたれしにくいケーキ(パイ?ケーキ好きの人にとってはこれはケーキとは言わない??)です!

細野漢方診療所 細野孝郎

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