• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

「健康診断で血圧が高いと言われた」、とか「病院で降圧剤を飲むように言われたのだけれども飲みたくない!」などを主訴として来院される方々がたまにおられます。特に高血圧の診断基準がグッと厳しくなった頃に特に多かった記憶があります。当時は教科書にあるような、「高血圧の漢方治療!」に書かれている黄連解毒湯や大柴胡湯、または釣藤散など各種試してみましたが、漢方での血圧コントロールはどれも上手く行きませんでした。患者さま側も服用して1ヶ月程度で効果を求める傾向にあるので、そうなると治療は噛み合いません。血圧など毎日家で測るので、結果を焦る気持ちは良く分かります。その時の自分の感覚としては、やはり漢方では血圧を下げるのは無理と言うことでした。それより20〜30年経過した今でもその考えは変わりません。本などを調べていると、降圧剤と漢方併用して、徐々に降圧剤を減らせれば良いみたいに書かれていますが、これも実際に継続してやるのは長期に渡る根気と忍耐が必要なので難しい話です。

そもそも思い起こせば、うちの祖父も父親も高血圧でした。両者とも自分とは比較にならない程、漢方には詳しく、世間的にも有名な漢方を専門にしていた医師でした。かなり罰当たりな言い方かも知れませんが、漢方だけで血圧が改善するなら父親などまだ健在なはずです。私なんかまだ説教食らっていると思います(笑)それほど漢方のみでは血圧コントロールは難しいので、病院で降圧剤を飲めと言われたら素直に服用して下さい。下がり過ぎたら・・・・・など心配しないで、そんなに簡単に下がれば誰も高血圧で苦労しません。高血圧の原因になる病気のある人は、まずはその病気の治療が必要です。これと言った原因のない人(本態性高血圧)の人もまずは降圧剤である程度血圧をコントロールしながら、同時進行で体質改善して降圧剤の減量や離脱を目指せば良いのです。そして体質改善=漢方!ではなく、これは私の考えですが、まずは食事と運動そして毎日の血圧測定、この3つをまずは継続して下さい。習慣化してしまえばそこまで難しいことではないのですが、残念ながらみなさんそう長続きしません。と言うのも年単位の時間を要するので、大半の方は脱落してしまいます。これらを続ける習慣が出来そうであれば、そこで漢方を併用して体質改善の速度を向上させます。そして最後にストレスフリーな生活、これは究極の理想ではあるのですが、実現はそう簡単ではありません。沖縄に引っ越してのんびりと過ごす・・・・みたいな知り合いがポツポツといますが、羨ましい限りで。ウチもう少しzoom診療比率が増えれば月の半分は沖縄で過ごしてストレス半減な生活が送れるのではと妄想してしまいます(笑)じゃあ実際に運動と食事はどうやるの??については、また今後に書いて行ければと思います。

家で硬い肉ばかり食べていたので、たまにはお寿司屋さんです。以前は絶対に見かけなかったインバウンド客が1組、2組と来店しています。このお寿司屋さんの外には外国人に人気の店が2〜3軒あるので、一歩外に出るとここは日本だとは思えません。コロナ前もこんな状況だったのか?もう記憶にありません。さて、沖縄に半移住はできませんが、週末に美味しいもの食べて過ごすのも体質改善の一つだと信じています(笑)

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細野漢方診療所 細野孝郎