• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中、この先は未定!女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎他、ちょこっと体の弱い人までお見えになりま す。趣味はマラソン、猫、掃除、週に1回の外食など多数。

過敏性腸症候群が元々あって、月経不順や月経痛などを主訴として受診される方は思った以上に多いです。過敏性腸症候群は人口の10%程度、女性に多いらしいので、この両者で悩んでいる女性は多くおられると思います。

過敏性腸症候群に大建中湯

過敏性腸症候群に用いる代表的な漢方の一つに「大建中湯」(だいけんちゅうとう)があります。これはシンプルな処方で蜀椒(山椒)、乾姜、節参、膠飴の4つの生薬から構成されます。これらの生薬は主に体内を温める作用があり、また膠飴は気を補う作用があります。基本的に大建中湯は体を内側から温めることにより、体の機能を回復させる漢方薬です。お腹の具合が悪い時や、便が出にくい時などにカイロなどでお腹を温めれば気持ち良くなるのは皆さん経験があると思います。カイロで体表から温め、大建中湯で中から温めるのはとても効果的な方法でしょう。

さて、月経痛の時にもお腹を温めると楽になった経験がある方は多いと思います。温めることにより筋の緊張を柔らげたり自律神経を落ちつせることにより痛みは緩和されます。また温めることにより血流も改善され、それに伴い子宮卵巣系の機能も回復に向かうはずです。

婦人科系疾患に対しては

このように過敏性腸症候群があり、更に婦人科系の疾患がある場合にはまずはシンプルに温めてあげることが大事になります。なので大建中湯を選択しない手はありません。しかし月経痛や月経不順などに対しては温めるだけでは効果は今ひとつかと思います。なかなかそれだけでは血流は改善しないのでしょう。そこで軽く女性系の血流を改善する四物湯を半量程度合方すれば、女性系の血流改善効果もより一層期待できるかと思います。

具体的には

おおよその目安としては、大建中湯を1日量の50〜75%程度、四物湯は50%程度です。両者で重複する生薬はありませんし、比較的優しい処方ですのでこの程度の重ね方で良いかと思います。これ以上の量が必要そうな場合はむしろ他の処方での組み合わせを考えた方が良いでしょう。

大建中湯も四物湯も第二類医薬品として販売されていますので、薬局などで販売されています。ただ処方される物と比較すると安全のためか濃度が低いので、買って来た物が効果不十分でも、この組み合わせを諦めずに病院などで処方してもらって下さい。そこで再度効果判定をして考えればいいのです。

最後に注意点として、少量の四物湯でも下痢が悪化した過敏性腸症候群を経験したことがあります。あくまでも推測ですが、川芎などが刺激になったのかもしれません。この方は大建中湯や他の処方で一年程度かけて過敏性腸症候群を改善させて、その後に四物湯を1日量の25%から合方して行きました。このことから、過敏性腸症候群(特に下痢タイプ)が活発な時には四物湯は少しお休みした方が良いかと思います。

さて、今回も全く本文とは関係ありません。写真は診療所近く(徒歩5分程度)の焼き鳥屋さんです。決められたコースが出てきて、最後にお好きな物をお好きなだけ、食べ放題ですから選んで下さいと箱ごと目の前に出してくれます。もう少し若ければ何本か追加で食べられたのですが、今の自分の歳では記念写真撮って終わりです。見るだけでお腹いっぱいです。無理に食べることもないし、無理に我慢する必要もありません。最初に行った頃はせっかくなので2〜3本以上は追加しないと損した気分で頑張って食べていましたが、今は食べると逆に損(具合が悪くなったり病気なったりして)だとやっと理解できて来ました。胃腸の弱い人やダイエットしたい人がよくおっしゃることに「残すの勿体ないから全部食べてしまって、結局調子悪いです(体重が増えた)」と言うのがあります。私は大昔から「食べてしまって体調悪くしたら余計にお金(通院治療などに)かかるから損だよ、食べる前に半分捨てちゃえばよいんですよ」と言っていました。口では偉そうなこと言って、自分も食べないと損とばかりに昔は焼き鳥を追加していたのですからどうしようもありません。なので最近はどうでしょうか?やっと説得力が出て来たでしょうか??

細野漢方診療所 細野孝郎