月経・生理不順の漢方治療
Menstrual Health · Hosono Kampo
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【生理痛・月経困難症】瘀血を動かす処方の使い分け
「生理痛は、あって当たり前のものではありません。冷えなどによって血が滞る『瘀血(おけつ)』が痛みの正体です。鎮痛剤で抑え続けても瘀血は残り続ける。瘀血を動かす代表処方として、血流改善に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、痛みを取りながら血を補う折衝飲(せっしょういん)、冷えが強く手足が冷たい方には温経湯(うんけいとう)がよく使われます。便秘を伴う強い瘀血には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や通導散(つうどうさん)も選択肢に入ります。」
【月経不順・周期の乱れ】血虚か瘀血か——まず見極める
「月経が遅れる・早まる・量が少ない・多すぎる——この乱れは『血虚(血の不足)』か『瘀血(血の滞り)』のどちらかに起因することがほとんどです。血虚タイプ(顔色が悪い、疲れやすい)には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や四物湯(しもつとう)で血を補います。瘀血タイプ(経血が暗い・塊が出る・下腹部が張る)には桂枝茯苓丸や折衝飲で血の流れを整えます。」
【PMS・生理前の不調】肝の気を整える
「生理前のイライラ、胸の張り、むくみ、眠れない——これらは月経前に『肝』の気の流れが乱れることで起きます。PMS全般には加味逍遙散(かみしょうようさん)がよく使われます。イライラ・怒りっぽさが強い場合は抑肝散(よくかんさん)や抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、不安・落ち込みが強い場合は加味帰脾湯(かみきひとう)を選ぶことが多いです。冷えと気の乱れが重なるタイプには柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)も有効です。」
【治療の目安】月経を2〜3回越えて効果を判断する
「月経トラブルの治療効果は、月経を最低2〜3回越えないと本当のところはわかりません。ただ『経血の色が明るくなった』『塊が減った』『生理前の重だるさが少し軽くなった』——こうした小さな変化が次の月経頃から現れてきたら、治療は正しい方向に向いているサインです。婦人科の検査で異常なしと言われても、漢方の目で診れば必ず原因が見えてきます。」
【実際の臨床では】生理痛+PMSなど複合する症状に対応する
「生理痛だけ、PMSだけ、という方はむしろ少数です。生理痛があってPMSもひどい、月経不順で量も少なく冷えもひどい、不妊治療と並行して月経周期を整えたい——こうした複合した状態が現実です。たとえば冷えの強い生理痛には折衝飲をベースに苓姜朮甘湯を組み合わせることもありますし、PMSと月経不順が重なれば加味逍遙散と折衝飲を合わせることもある。一つの処方名だけで解決しようとせず、あなたの体全体を診て処方を組み立てる——これが細野漢方の診察です。」
症状と処方の対応 — ひと目でわかる一覧
| 症状・状態 | よく使われる処方 |
|---|---|
| 生理痛・月経困難症 (瘀血・血の滞り) |
桂枝茯苓丸 折衝飲 温経湯 |
| 生理痛+便秘 (強い瘀血) |
桃核承気湯 通導散 大黄牡丹皮湯 |
| 月経不順・量が少ない (血虚タイプ) |
当帰芍薬散 四物湯 人参養栄湯 |
| 月経不順・塊・暗色 (瘀血タイプ) |
折衝飲 桂枝茯苓丸 |
| PMS・イライラ 情緒不安定 |
加味逍遙散 抑肝散 抑肝散加陳皮半夏 |
| PMS・不安・落ち込み 不眠 |
加味帰脾湯 柴胡桂枝乾姜湯 |
| 冷えを伴う月経痛 手足の冷え強い |
温経湯 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 |
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※ 実際の処方は診察の上、あなたの「証」に合わせて0.1g単位で調整します。
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当院では一人ひとりの証に合わせ、0.1g単位で処方を仕立てます。
【三代の診察】舌・脈・腹で処方を見極める
「私たちは三代98年の診察経験をもとに、あなたの体の状態を舌・脈・腹で精確に読み解き、0.1g単位のオーダーメイド処方で対応します。」
- 舌診:血の質と『水』の停滞を映し出す。
- 脈診:生命力の勢いと、気の巡りを測る。
- 腹診:これが細野漢方の真骨頂です。お腹を診れば、瘀血の深さや、気の滞りが『どこにあるか』まで指先でわかります。
三代、受け継がれる漢方の知恵
細野 史郎
創始者(初代)
1928年開院
細野 八郎
二代目院長
細野 孝郎
現院長(三代目)