冷え・むくみの漢方治療
Coldness & Edema · Hosono Kampo
📖 本文中の緑色の処方名および下の一覧表の処方名をクリックすると、院長が書いた診療日誌(ブログ)の解説記事に移動します。
【冷えの種類】どこが冷えているかで処方が変わる
「冷えといっても、手足の先だけが冷える・腰から下が冷える・お腹が冷える・全身が冷える——場所によってまったく異なる処方が必要です。腰から下が冷えてむくみも伴う場合は苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)が有効なことが多い。手足の先まで冷えが強く、しもやけになるようなタイプには当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)。血の不足を伴う冷えには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や温経湯(うんけいとう)が使われます。同じ『冷え症』でも、処方は一人ひとり全く異なります。」
【むくみ・水毒】五苓散が基本、そこから広がる
「むくみの漢方治療で中心となるのが『水毒(すいどく)』という概念です。体内の水の巡りが滞り、余分な水が組織に溜まった状態です。むくみの代表処方は五苓散(ごれいさん)で、頭痛・めまい・胃の不調なども伴う水毒全般に広く使われます。冷えを伴うむくみには苓姜朮甘湯、めまいや頭重が強い場合は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、女性系の瘀血も重なるむくみには当帰芍薬散が有効です。防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)は水太りタイプのむくみに使うこともあります。」
【冷えとむくみは表裏一体】温めながら水を流す
「冷えのある方にむくみが重なることは非常に多いです。体が冷えると血管が収縮して血流が悪くなり、水も滞って組織に溜まっていく。この両者を同時に解決できる処方として、冷えに対する温め作用と水毒を取る作用を兼ね備えた当帰芍薬散合甘草乾姜湯(とうきしゃくやくさんごうかんぞうかんきょうとう)を使うこともあります。また水毒と血虚が重なるタイプには連珠飲(れんじゅいん)も選択肢になります。」
【実際の臨床では】冷え+むくみ+生理痛など複合する
「冷えだけ、むくみだけという方はむしろ少数です。冷えと生理痛が重なる、むくみと更年期のほてりが同時にある、冷えのぼせで上半身は熱いのに足は冷える——こうした複合した状態が現実です。たとえば冷えのぼせには下半身を温めながら上半身の熱をさばく処方を組み合わせる必要があり、単純に温める処方だけでは悪化することもあります。『冷えているから温めればいい』という単純な話ではない——これが漢方の冷え治療の奥深さです。」
症状と処方の対応 — ひと目でわかる一覧
| 症状・状態 | よく使われる処方 |
|---|---|
| 腰から下の冷え むくみ伴う |
苓姜朮甘湯 |
| 手足の先の冷え しもやけタイプ |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 |
| 血の不足を伴う冷え 顔色が悪い・疲れやすい |
当帰芍薬散 温経湯 四物湯 |
| むくみ・水毒全般 頭痛・めまい伴う |
五苓散 苓桂朮甘湯 |
| 水太りタイプのむくみ 汗かき・疲れやすい |
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう) |
| 冷え+むくみ+女性系 (瘀血+水毒) |
当帰芍薬散 当帰芍薬散合甘草乾姜湯 |
| 水毒+血虚 めまい・冷えも重なる |
連珠飲(苓桂朮甘湯+四物湯) |
📖 処方名をクリックすると、院長が書いた診療日誌(ブログ)の関連記事に移動します。各処方の詳しい解説・使い分け・実例をお読みいただけます。
※ 実際の処方は診察の上、あなたの「証」に合わせて0.1g単位で調整します。
【三代の診察】舌・脈・腹で処方を見極める
「私たちは三代98年の診察経験をもとに、あなたの体の状態を舌・脈・腹で精確に読み解き、0.1g単位のオーダーメイド処方で対応します。」
- 舌診:血の質と『水』の停滞を映し出す。
- 脈診:生命力の勢いと、気の巡りを測る。
- 腹診:これが細野漢方の真骨頂です。お腹を診れば、瘀血の深さや、気の滞りが『どこにあるか』まで指先でわかります。
女性系疾患の他のページを読む
症状・お悩みから記事を読む
気になる症状をクリックすると、関連する診療日誌の記事一覧に移動します。
三代、受け継がれる漢方の知恵
細野 史郎
創始者(初代)
1928年開院
細野 八郎
二代目院長
細野 孝郎
現院長(三代目)