ニキビ・吹き出物の漢方治療
Acne / Pimples · Hosono Kampo
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【なぜ塗り薬だけでは治らないのか】ニキビは内臓の問題
「ニキビは皮膚の病気ではなく、体の内側の問題が皮膚に出ているサインです。食べ過ぎや消化に悪いものを食べて自分の解毒能力を超えると、排出しきれない不要物が皮膚から漏れ出てくる——これがニキビの一因です。だから塗り薬で表面を抑えても、内側の問題が続く限りニキビは繰り返します。漢方治療の基本はデトックス。体の内側から解毒力を高め、不要物が皮膚から漏れ出ない体を作ることが根本治療です。」
「また過労・ストレス・月経前などで体のバランスが崩れると解毒能力が落ち、いつもと同じ食生活でもニキビが悪化します。特に女性の場合、月経周期とニキビの悪化が連動しているケースは非常に多く、ホルモンバランス(瘀血)を整えることがニキビ治療の重要な柱になります。」
【二段構えの治療】「今出ている炎症を抑える」と「体質を変える」
「ニキビの漢方治療は大きく二段構えです。第一の柱は「今出ているニキビの炎症・赤みを抑える」——顔に多発する赤いニキビ・吹き出物の急性炎症には清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)が代表処方です。黄連解毒湯をベースに排膿作用の生薬を加えた処方で、首から上のニキビに特に効果があります。」
「第二の柱は「ニキビができやすい体質を変える」——繰り返すニキビ・背中や胸にも広がるタイプ・生理前に悪化するタイプには体質改善が必要です。解毒・体質改善の代表として荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、血の滞りを動かして皮膚のきめを整える桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)が有効です。炎症を抑えながら体質改善も同時に進める——この二段構えが細野漢方のニキビ治療です。」
【生理前ニキビ・女性のニキビ】ホルモンバランスが鍵
「女性のニキビで最も多い悩みが『生理前になると悪化する』パターンです。これは月経前に血の流れが滞る(瘀血)ことで解毒能力が落ち、皮膚から漏れ出やすくなるためです。ひどい月経不順を伴う方、生理前にかなり悪化する方は、清上防風湯などで炎症を抑えながら、早めに女性系の処方に移行していきます。桂枝茯苓丸加薏苡仁・大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などで瘀血を改善することで、月経とともに肌状態が着実に良くなっていきます。ホルモンバランスを整えないと治る物も治りません。このタイプは最低でも3〜6ヶ月のスパンで治療を見ていきます。」
【胃腸が弱い人のニキビ】デトックスの入り口は胃腸
「胃腸が虚弱な方には、ニキビの処方よりも先に胃腸を立て直すことが大切です。消化能力が低下していると不消化物が増え、解毒しきれないものが皮膚から漏れ出し続けます。人参湯(にんじんとう)や六君子湯(りっくんしとう)で消化力を高めることが、ニキビ治療の根幹です。『ニキビでかかったのに胃の薬が出た』と思われるかもしれませんが、これが漢方ならではのアプローチです。デトックスの入り口は胃腸——三代98年の経験から導き出した答えです。」
【皮膚のきめを細かくする】ニキビ跡・色素沈着の改善へ
「ニキビが落ち着いてきたら、最終段階は皮膚の修復です。繰り返す炎症でダメージを受けた皮膚のきめを細かくし、ニキビ跡・色素沈着を改善しながら、毒素が漏れ出にくい丈夫な皮膚を育てていきます。この段階では薏苡仁(よくいにん/ハトムギ)と黄耆(おうぎ)が重要な役割を担います。また化膿しやすい・しこりになりやすいニキビには排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)や排膿散(はいのうさん)が思った以上に効果を発揮します。」
【実際の臨床では】複合した状態に一人ひとり対応する
「顔のニキビだけでなく背中・胸にも出る、生理不順もある、胃腸も弱い、ストレスで悪化する——こうした複合した状態が現実です。清上防風湯だけ、荊芥連翹湯だけというシンプルな処方で解決できるケースばかりではありません。炎症を抑える処方・解毒の処方・女性系の処方・胃腸の処方を、あなたの体の状態と優先順位に合わせて0.1g単位で組み合わせる。これが三代98年の診察の核心です。まずは2週間〜3ヶ月で体感の変化を確かめながら、段階的に根本治療へ移行していきます。」
状態と処方の対応 — ひと目でわかる一覧
| 状態・タイプ | よく使われる処方 |
|---|---|
| 顔の赤い炎症ニキビ 首から上に多発 |
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) 黄連解毒湯 |
| 繰り返すニキビ 背中・胸にも広がる |
荊芥連翹湯(解毒・体質改善) |
| 生理前に悪化 月経不順を伴う |
桂枝茯苓丸加薏苡仁 大黄牡丹皮湯 |
| 化膿・しこりになる ポツポツした皮膚炎 |
排膿散及湯 排膿散 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) |
| 胃腸が弱い 消化力の低下 |
人参湯 六君子湯 |
| ニキビ跡・色素沈着 皮膚のきめを細かく |
薏苡仁(ハトムギ) 黄耆 四物湯 |
| ストレスで悪化 生理前のイライラも |
加味逍遙散(かみしょうようさん) 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう) |
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※ 実際の処方は診察の上、あなたの「証」に合わせて0.1g単位で調整します。
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当院では一人ひとりの証に合わせ、0.1g単位で処方を仕立てます。
三代、受け継がれる漢方の知恵
細野 史郎
創始者(初代)
1928年開院
細野 八郎
二代目院長
細野 孝郎
現院長(三代目)