• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

当院でも11月に入ってからインフルエンザの予防接種を開始しています。まだ少し在庫がありますので、ご希望の方はお早めにご予約下さい。そもそも風邪とインフルエンザの症状は似ていますが、それぞれ異なるウイルスが発症原因となります。また細菌性の咽頭炎なども喉が痛いなどの症状があり、風邪と区別がつきにくいことがあります。最近はコロナ感染症まで似たような症状を呈するので、ややっこしい話です。しかしこれらはインフルエンザやコロナの抗原検査やPCR検査、また血液検査などで鑑別が可能ですから、近所の病院などで診てもらえば診断はつきます。治療は基本的にはインフルエンザやウイルス性の風邪の場合は対症療法になりますが、細菌性の場合は抗生剤治療となります。教科書的には風邪に抗生剤を投与するのはけしからん!みたいな話ですが、実際にはウイルス感染の様であり、とは言え細菌感染も否定出来ない例に遭遇します。その様な場合には安全のために抗生剤を処方されることもあるでしょう、何が何でも風邪に抗生剤はダメだと頭から思わないで下さい。

とは言え、血液検査や鼻に綿棒を突っ込む検査もない大昔の時代からインフルエンザや風邪、細菌性の咽頭炎などは存在していました。そこで漢方独自の理論でそれらの病態を解析し、治療するため処方が考案されて来ました。代表的な処方で言えば、葛根湯や小柴胡湯であり、さらには承気湯類であり、または麦門冬湯などなど書き出せば多数ありますが、当院では風邪薬として2種類ほど常備しておいて頂いて、葛根湯加半夏(かっこんとうかはんげ)→柴胡桂枝湯加桔梗葛根(さいこけいしとうかききょうかっこん)をそれぞれ3日、7日程度の順序で服用して頂くことが多いです。名前が長く難しいので、祖父の頃より前記の処方を風邪2号、後記を11号と番号を付けて区別しています。それぞれを3日、7日程度常備されておくと良いかと思います。薬もお送り致しますので、電話で風邪2号とか番号でおっしゃって頂ければ大丈夫です。手元にあれば直ぐに服用開始できるので安心です。また来院して頂ければ細かく症状に合わせて処方を作成しますが、風邪の引き始めの治療は早い方が良いし、また外出するよりも安静にしていた方が良いなどの理由で2号などの常備をお勧めしています。

次回以降は、風邪やインフルエンザの様な感染症を漢方ではどの様に考えたのかについて、そして2号とか11号はどの様な処方内容なのかについて書いて行きたいと思います。これらのことを知識として知っていれば、どの漢方の風邪薬が良いかの参考になるかと思います。

さて本日はいきなり寒かったので、泰明庵で久々に「かしわとじ蕎麦」としました。

卵で鶏肉をとじて、「かしわとじ」なのでしょうが、商品名は親子蕎麦でも良いのか??食べて少し胃と背中のあたりが暖かくなり体が楽になりました。マラソンを始める前までは太っていたこともあり、冬でも一人で暑がっていましたが、次第に体の冷えを自覚できる様になって来ました。そもそも何もしなくて冬でも暑ければ、少し走るとオーバーヒートしてしまいます。そうそう、患者様でお腹が冷えると言う方がおられますが、カイロを貼るのは背中が良いです。女性系の血流を良くしたい方も背中を温めて下さい。このあたりは私よりも鍼灸師が詳しいので来院された時にでも聞いて下さい。

細野漢方診療所 細野孝郎