• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

ある患者さんが、「最近、首が痛くて握力も落ちて手先に痺れも感じる」とおっしゃいました。じゃあ近所(銀座)で直ぐにMRI検査できますよ、となって検査してもらって来ました。結果、立派な頚椎のヘルニアだったので、MRI写真(CDになっています)をお渡しして整形外科を紹介しました。頚椎カラー装着したり、何度か注射を打って比較的直ぐに手先の痺れも改善し、首の痛みも取れて軽くなっとのことです。今これを見ている人の中にも、首が痛いなぁと感じておられる方も多いかと思います。ついつい下を向いてスマホを触ったりパソコンの画面を見たりしてしまいうと思います。痛みや痺れ、握力の低下などを感じるのであれば、整形治療で改善すると思いますので、一度診てもらうと良いでしょう。

気を付けてスマホもそこまで使わない、パソコンの画面の位置も気にしているのに首肩が凝る人は、大昔から言う「借金で首が回らない」タイプです。残念ながら借金していなくとも、借金で首が回らないと言われるのが辛いところです。借金をする状況は色々と気苦労が絶えない状態です。つまり緊張状態にあります。緊張すると体に力が入って、これは両手を握って歯を食いしばってみると分かると思いますが、肩首、背中、側頭部、腹筋などが張って来ます。これが軽度の緊張状態であっても長期に続けば、その辺が凝ってくるのは容易に想像できます。悩みやストレスが多い、また怒りやすい人の肩首こり、側頭部痛の原因は、緊張(つまり気の流れの悪さ)に起因することが多いのです。腹筋にも力が入ると書きましたが、これは腹診(東洋医学的なお腹の診察)をすると一目瞭然で、季肋部(脇腹の部分)が緊張していたり、また腹直筋が縦にピンと張っていたり、いわゆる気の流れの悪そうな所見となるのです。この気の流れの悪さは放置し続けると、色々な症状(病気)を引き起こす可能性があります。

ストレスはどうやってもかかるものですが、こうやって身体的所見として現れるほどのストレスはよくありません。ストレスかけないでね、と言うのは簡単ですがなかなか難しいことです。「多少はいいけど、ただ診察でわかるほどストレスかけないでね、腹立ったりイライラするだけ病気なって自分が損だし、それが原因で病気なるともっと腹たつよ。」とみなさんにいつもお話ししている通りです、もちろん自分にも言い聞かせています。

食事の出てくる時間だけが唯一の気掛かりで、その他には全くストレスなく、さらにはスマホもない生活を過ごしているネコは首もくるくる回って、肩も凝らない、本当に気の流れの良さそうで羨ましいです。嫌ならさっさと姿をくらます、つまり金持ち喧嘩せず、やはりこれぞストレス回避の極意でしょう!

細野漢方診療所 細野 孝郎