• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

私の祖父らが聖光園時代に書いた本(食養論)に漢方的な視点から食べ物に関して書かれています。それによると蕎麦はとても素晴らしい健康食で病気も治す、みたいな記述がありました。大昔に書かれた内容ですので今となっては色々と指摘すべき点はあるでしょうが、食べ物に関してそんな様に考えていたのかとそれなりに楽しく読める内容です。

私のスタンスは適度な医食同源が理想であり、あまり厳格な食事療法はストレスになるので好きではありません。基本食べたい物は食べるし、飲みたい物は飲むし、ただ油物やアルコール度の高いお酒などは体が受け付けない(好きではない)ので控えると言う程度です。

さてお昼は大抵は近い、早いの条件を満たす蕎麦屋(泰明庵)なのですが、蕎麦は健康食と言われています。蕎麦健康論はおそらく絶食療法や酵素栄養学で言う何とか療法に近い感覚なのでしょう。現代もオーガニックやマクロビオティックなど食事に気を付ける人は多いかと思いますが、漢方では大昔から医食同源や薬食同源は理想とされて来ました。

先ほど見えた慢性の腎臓病の患者様は、コロナで会食がなくなり外食しなくなった途端に腎臓の数値(クレアチニンなど)や血圧が安定して来ました。以前より外食しても良いから塩分など気をつけてとお伝えしていたのですが、なかなか守れずに、皮肉なことにコロナで半強制的な食養論・医食同源となり数値が改善して来たのです。

話は蕎麦に戻りますが、本にも書かれているとおり、体に良い蕎麦とは蕎麦粉100%の十割蕎麦でありつなぎに小麦粉などを使っていてはいけませんし、さらには私の様に天麩羅など添えるのは論外です。消化に無駄な労力をかけずに栄養だけを摂取するのです。考えとして消化には体力をかなり必要とするので、その体力は他の体を維持する部分に使うべきと言うことです。

ここの蕎麦はおそらく二八蕎麦と言う感じですが、もちろんここの近所のお店で十割蕎麦もあります。但し値段がとても高くてお昼に軽くと言う感じではありません。

前回はせりカレーせいろでしたが、今回は冷やしかき揚げ蕎麦です。寒い時期は温かい蕎麦にするのですが、この時期は塩分も少なめな感じの冷やし蕎麦にします。かき揚げには、イカと小海老、あと玉ねぎが入っています。この程度の大きさのかき揚げならば胃もたれもせずに、午後の診療も体調良く過ごせます。腹八分目、食べ過ぎないのも医食同源の基本だと思います。

細野漢方診療所 細野孝郎